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NOTAM(ノータム)とは?航空情報の見方・読み方・用語・参照先を初心者向けに解説

アマチュア無線局 JF9OYU/ライセンスフリー無線局 いしかわJK946 です。いつもブログをお読みいただきまして、心より感謝申し上げます。

航空無線や航空機の運航について調べていると、AIP、METAR、TAF、SPECIなどとともに、「NOTAM(ノータム)」という航空情報を目にします。

AIPには空港、航空路、空域、無線施設、飛行方式などの恒久的・長期的な基本情報が掲載されていますが、それだけでは、一時的な滑走路閉鎖、航空保安施設の故障、工事、無人航空機の飛行、展示飛行、射撃訓練などの最新状況までは分かりません。

そのような、航空機の運航に影響する一時的または緊急性のある情報を迅速に知らせる仕組みがNOTAMです。

NOTAMは英語の略号と数字が並ぶため、最初は暗号のように見えます。しかし、「どこで」「いつ」「何が」「どの高度で行われるのか」という順番で読めば、初心者でも概要をつかめるようになります。

本記事では、NOTAMの概要、AIPや気象情報との違い、電文の基本構造、Q行とA~G項目の読み方、用語・略号、国内での参照方法を、実際のNOTAMを例に分かりやすく解説します。

NOTAMとは

NOTAMは、航空施設、航空業務、飛行方式または航空上の危険について、その新設、状態、変更などを通信手段によって迅速に知らせる航空情報です。

国際民間航空機関ICAOでは、飛行運航に関係する人が適切な時期に知っておく必要のある情報を伝えるものと定義しています。

日本の航空関係資料では、NOTAMを「Notice to Airmen」の略として説明しています。米国では一時期「Notice to Air Missions」という呼び方も使用されましたが、現在のFAA公式文書は再び「Notice to Airmen」を採用しています。

ただし、実際にNOTAMを読むうえでは、英語名称の違いよりも、「航空機の安全運航に必要な情報を迅速に伝える仕組み」と理解しておけばよいでしょう。

NOTAMでは何が通知される?

NOTAMで通知される代表的な情報には、次のようなものがあります。

  • 滑走路や誘導路、エプロンの閉鎖
  • 滑走路、誘導路、エプロンでの工事
  • 滑走路灯、進入灯、PAPIなどの故障や停止
  • ILS、VOR、DME、TACANなど航空保安施設の停止
  • 管制機関や空港の運用時間変更
  • 航空路や飛行方式の一時的な変更
  • 飛行禁止区域、飛行制限区域、危険区域の設定や運用
  • 航空祭、展示飛行、曲技飛行、編隊飛行
  • 射撃、ロケット発射、爆破作業などの危険を伴う活動
  • 無人航空機、気球、パラシュートなどの飛行
  • クレーン、鉄塔、建築物などの障害物
  • 火山活動や火山灰に関する情報
  • 捜索救難活動など航空機の運航に影響する情報

すべての変更や行事がNOTAMになるわけではありません。飛行の安全や効率に影響し、航空関係者が事前に知る必要のある情報が対象です。

NOTAMは「飛行禁止命令」とは限らない

NOTAMについて誤解しやすいのが、「NOTAMが発行された空域には入ってはいけない」という考え方です。

NOTAMは、航空上必要な情報を通知する仕組みであり、NOTAMが発行されたこと自体が、必ずしも空域への進入禁止を意味するわけではありません。

例えば、「無人航空機が飛行する」「展示飛行が行われる」「気球が上昇する」といったNOTAMは、その活動の場所、時間、高度などを知らせるものです。一方、本文に「PROHIBITED」「RESTRICTED」「CLSD」などと記載されている場合は、禁止、制限、閉鎖の具体的な内容を確認する必要があります。

また、NOTAMの発行は、その活動に必要な法令上の許可を代替するものでもありません。無人航空機などを飛行させる場合は、航空法上の許可・承認、関係機関との調整、現地の規制などを別途確認する必要があります。

AIP・NOTAM・AIP Supplement・AICの違い

航空情報は、内容の性質や期間によって公示方法が分かれています。

情報主な内容情報の性質
AIP空港、航空路、空域、無線施設、飛行方式など恒久的・長期的な基本情報
AIP AmendmentAIPに収録する恒久的な変更AIPの正式な改訂
AIP Supplement長期間の一時的変更、図面や長い説明を伴う変更AIPの補足情報
NOTAM短期間の変更、緊急性のある情報、運航上重要な情報迅速に通知する航空情報
AIC技術的・行政的な説明、助言、周知事項解説・周知を目的とする情報

一時的な変更であっても、原則として3か月以上続くものや、短期間でも長い文章や図面が必要なものは、AIP Supplementとして公示されます。

ただし、恒久的な変更であっても、運航上重要であり、AIPの改訂を待てない場合は、最初にNOTAMで通知され、その後AIPへ反映されることがあります。

METAR・TAF・SPECIとの違い

METAR、TAF、SPECIは主に気象情報です。

情報主な内容
METAR飛行場の定時気象実況
SPECI気象状態が一定の基準を超えて変化した場合の特別観測
TAF飛行場周辺の気象予報
NOTAM施設、空域、運用、工事、訓練、障害物などの航空情報

例えば、風向・風速、視程、雲、気温、気圧はMETARやTAFで確認します。滑走路が閉鎖されているか、ILSが使用できるか、周辺空域で展示飛行が行われるかといった内容はNOTAMで確認します。

航空機の運航状況を理解するには、AIP、NOTAM、METAR、TAF、SPECIを組み合わせて確認することが大切です。

NOTAMの基本構造

ICAO形式のNOTAMは、基本的に次のような構成になっています。

N2790/26 NOTAMN
Q) RJJJ/QWALW/IV/M/AW/003/100/3723N13655E008
A) RJNW
B) 2606280430
C) 2606280510
E) AIR DISPLAY:
1. FLT AREA: WI A RADIUS OF 8NM OF 372325N1365452E
   (WAJIMA-SHI, HOSU-GUN IN ISHIKAWA)
2. USING ACFT: T4 X 6(MAX)
3. WX COND: VMC ONLY
4. RMK:
   AIR DISPLAY SUSPENDED WHEN FLYING SAR AND DOCTOR HEL, ETC
F) 300FT AMSL
G) 10000FT AMSL

これは、2026年6月28日に石川県輪島市・鳳珠郡周辺で計画された航空展示に関するNOTAMです。すでに有効期間が終了した過去の事例であり、現在有効なNOTAMではありません。

配信画面によっては、このNOTAMの前に通信時刻や発信元を示す数字、AFTNアドレスなどが表示されることがあります。一般の利用者が内容を読む場合は、NOTAM番号から後ろを確認すれば十分です。

初心者におすすめの読む順番

NOTAMは、上から順番にすべて解読しようとすると分かりにくくなります。まずは次の順番で確認しましょう。

  1. A項で関係する場所を確認する
  2. B項、C項、D項で日時を確認する
  3. E項で具体的な内容を確認する
  4. F項、G項で高度範囲を確認する
  5. 最後にQ行で分類や検索条件を確認する

最初から複雑なQ行を完全に理解する必要はありません。実際の内容はE項に書かれているため、まずE項を読んだ方が全体像をつかみやすくなります。

NOTAM番号の読み方

N2790/26 NOTAMN

「N2790/26」は、そのNOTAMを識別する番号です。

部分意味
NNOTAMシリーズを示す文字
2790シリーズ内の通し番号
26発行年の下2桁。2026年

シリーズ文字の割り当ては、国や発行機関、情報の分類によって異なります。そのため、「Nシリーズは必ずこの内容」と世界共通に判断することはできません。

NOTAMN・NOTAMR・NOTAMC

番号の後ろには、NOTAMの種類が記載されます。

表記意味
NOTAMNNew。新しい情報を通知するNOTAM
NOTAMRReplace。以前のNOTAMを置き換えるNOTAM
NOTAMCCancel。以前のNOTAMを取り消すNOTAM

NOTAMRやNOTAMCの場合は、対象となる以前のNOTAM番号も表示されます。

古いNOTAMだけを保存して確認すると、その後に内容が変更されたり、取り消されたりしている可能性があります。必ず最新の検索結果で、差し替えや取り消しの有無を確認しましょう。

Q行とは

Q) RJJJ/QWALW/IV/M/AW/003/100/3723N13655E008

Q行は、NOTAMを分類、検索、抽出するための情報を符号化した行です。各項目は「/」で区切られています。

この例は次のように分解できます。

項目表記意味
FIRRJJJ福岡FIR
NOTAMコードQWALW航空展示が実施される
対象飛行方式IVIFRとVFRの両方
目的Mその他の情報
適用範囲AW飛行場と航行警報
下限003300ft相当の検索用下限
上限10010,000ft相当の検索用上限
中心座標・半径3723N13655E008北緯37度23分、東経136度55分、半径8NM

Q行はコンピューターによる検索や選別にも使用されます。位置や高度が検索用に簡略化または丸められている場合があるため、実際の運航上の範囲はE項、F項、G項も必ず確認します。

Qコードの仕組み

NOTAMコードは、Qを含む5文字で構成されます。

Q WA LW
部分意味
QNOTAMコードであることを示す
WA対象。Air display、航空展示
LW状態。Will take place、実施される

つまり、「QWALW」は「航空展示が実施される」という意味です。

主なQコードの例は次のとおりです。

Qコード分解意味
QMRLCMR+LC滑走路が閉鎖
QMXLCMX+LC誘導路が閉鎖
QWALWWA+LW航空展示が実施される
QWULWWU+LW無人航空機の飛行が実施される
QNVASNV+ASVORが使用不能
QNDASND+ASDMEが使用不能
QICASIC+ASILSが使用不能

Qコードはすべて暗記する必要はありません。まずE項を読み、詳しい分類を確認したいときにQコード一覧を参照する方法が現実的です。

Q行の「Traffic」

Trafficは、どの飛行方式に関係するNOTAMかを示します。

表記意味
IIFR、計器飛行方式
VVFR、有視界飛行方式
IVIFRとVFRの両方
KNOTAMチェックリスト

例の「IV」は、計器飛行と有視界飛行の双方に関係する情報です。

Q行の「Purpose」

Purposeは、NOTAMの利用目的や選別区分を示します。複数の文字が組み合わされる場合があります。

表記意味
N航空運送事業者などが直ちに注意すべき情報
B飛行前ブリーフィングの対象
O飛行運航に関係する情報
Mその他の情報
KNOTAMチェックリスト

「NBO」のように複数の文字が続く場合は、複数の目的に該当することを示します。

Q行の「Scope」

Scopeは、NOTAMが関係する範囲を分類します。

表記意味
AAerodrome、飛行場
EEn-route、航空路・飛行中
WNavigation warning、航行警報
KNOTAMチェックリスト

複数の範囲に関係する場合は、「AE」「AW」のように組み合わせて表記されます。

例の「AW」は、飛行場と航行警報の両方に関係することを示しています。

Q行の高度

003/100

Q行の下限と上限は、3桁の数字で符号化されます。

  • 003:300ft相当
  • 100:10,000ft相当
  • 000:地表付近を含む下限
  • 999:高度による絞り込みが実質的に適用されない場合などに使われる既定値

飛行場施設など、高度が直接関係しないNOTAMでは「000/999」が使用されることがあります。

Q行の高度は主に検索・抽出用です。実際の高度範囲と高度基準は、F項とG項を優先して確認します。

Q行の座標と半径

3723N13655E008

これは次のように読みます。

部分意味
3723N北緯37度23分
13655E東経136度55分
008半径8NM

Q行の座標は分単位で表され、NOTAMの影響範囲を包含する円の中心付近を示します。最後の3桁は、海里による半径です。

1NMは1,852mなので、8NMは約14.8kmです。

Q行の中心座標は検索用の概略位置です。E項に秒単位の座標や複数の座標が記載されている場合は、E項を確認します。

A項:場所

A) RJNW

A項には、NOTAMが関係する飛行場またはFIRのICAO地点略号が記載されます。

「RJNW」は能登空港のICAO地点略号です。ただし、A項がRJNWだからといって、活動が能登空港の滑走路上で行われるとは限りません。

この例では、実際の活動場所はE項に記載された輪島市・鳳珠郡周辺です。空域活動、無人航空機、障害物、航空展示などは、A項だけで場所を判断せず、E項の座標、半径、地名を確認しましょう。

主なICAO地点略号の例は次のとおりです。

ICAO地点略号場所
RJNK小松空港・小松飛行場
RJNW能登空港
RJTT東京国際空港・羽田空港
RJAA成田国際空港
RJBB関西国際空港
RJFF福岡空港
RJJJ福岡FIR

B項:開始日時

B) 2606280430

B項は、NOTAMが有効になる日時です。形式は「年月日時分」の10桁で、時刻はUTCです。

26 06 28 04 30
年 月 日 時 分

したがって、これは2026年6月28日04時30分UTCです。

日本標準時JSTはUTCより9時間進んでいるため、日本時間では2026年6月28日13時30分になります。

C項:終了日時

C) 2606280510

C項は、NOTAMの有効期間が終了する日時です。

この例では、2026年6月28日05時10分UTC、日本時間では14時10分です。

したがって、このNOTAMの有効時間は、日本時間の13時30分から14時10分までとなります。

EST

C) 2607010300 EST

ESTは「Estimated」の略で、終了日時が推定であることを示します。

ESTが付いたNOTAMは、記載時刻になれば単純に自動終了すると考えるべきではありません。発行者は、その日時までにNOTAMを取り消すか、新しいNOTAMへ差し替える必要があります。

利用者は、最新のNOTAMで取消または変更の有無を確認しなければなりません。

PERM

C) PERM

PERMは「Permanent」の略で、恒久的な変更であることを示します。

恒久的な変更がAIPへ反映されるまでの間、NOTAMで周知される場合があります。AIPに正式に掲載された後は、対象のNOTAMが取り消されます。

D項:実施スケジュール

D項は、B項からC項までの有効期間のうち、実際に活動や閉鎖などが行われる時間帯を示します。必要な場合だけ記載されます。

B) 2607010000
C) 2607050900
D) DAILY 0100-0300

この場合、NOTAM全体の有効期間は7月1日から7月5日までですが、実際の対象時間は毎日01時00分から03時00分UTCまでです。

D項でよく使用される表記には、次のようなものがあります。

表記意味
DAILY毎日
MON月曜日
TUE火曜日
WED水曜日
THU木曜日
FRI金曜日
SAT土曜日
SUN日曜日
H24対象日を通して24時間
SRSunrise、日の出
SSSunset、日没
EXCExcept、~を除く

B項とC項だけを見て「有効期間中はずっと実施される」と判断せず、D項の有無も確認しましょう。

E項:具体的な内容

E項には、NOTAMで通知する具体的な内容が記載されます。利用者が最初に読むべき、最も重要な部分です。

E) AIR DISPLAY:
1. FLT AREA: WI A RADIUS OF 8NM OF 372325N1365452E
2. USING ACFT: T4 X 6(MAX)
3. WX COND: VMC ONLY

これは次のように読めます。

  • 航空展示を実施
  • 北緯37度23分25秒、東経136度54分52秒を中心とする半径8NM以内
  • 使用航空機はT-4、最大6機
  • 有視界気象状態の場合のみ実施

NOTAMは国際的に利用されるため、英語とICAOの略号を使用して記載されます。短い電文で正確に伝えるため、省略形が多く使われています。

F項・G項:高度の下限と上限

F) 300FT AMSL
G) 10000FT AMSL

F項は対象空域の下限、G項は上限です。

この例では、平均海面から300ft以上、10,000ft以下の空域が対象です。

F項とG項は、主に空域活動や航行警報に関するNOTAMで使用されます。滑走路や誘導路の閉鎖など、高度範囲を必要としないNOTAMでは記載されないことがあります。

高度に関する主な表記

表記意味
SFCSurface。地表面または水面から
GNDGround。地上
AGLAbove Ground Level。地表面からの高さ
AMSLAbove Mean Sea Level。平均海面からの高度
ALTAltitude。高度
FLFlight Level。標準気圧面を基準とするフライトレベル
UNLUnlimited。上限なし
FTFeet、フィート

AGLとAMSLは基準が異なります。

例えば、標高1,000ftの場所で「1,000ft AGL」と記載されていれば、平均海面からは約2,000ftの位置になります。一方、「1,000ft AMSL」は平均海面から1,000ftです。

高度の数字だけでなく、どの基準が使われているかを必ず確認しましょう。

実例を日本語にすると

先ほどのNOTAM全体を日本語でまとめると、次のようになります。

「2026年6月28日13時30分から14時10分まで、石川県輪島市・鳳珠郡にある北緯37度23分25秒、東経136度54分52秒を中心とする半径8NM以内の空域において、T-4最大6機による航空展示が予定されています。対象高度は平均海面から300ft以上、10,000ft以下です。有視界気象状態の場合のみ実施され、捜索救難機やドクターヘリなどが飛行する場合は航空展示が中止されます」

このように整理すると、複雑に見えるNOTAMも、「日時」「場所」「範囲」「高度」「内容」「実施条件」に分けて理解できます。

NOTAMでよく使われる用語・略号

空港施設・航空保安施設

略号意味
ADAerodrome、飛行場
RWYRunway、滑走路
TWYTaxiway、誘導路
APRONエプロン、駐機場
THRThreshold、滑走路末端
ILSInstrument Landing System、計器着陸装置
LOCLocalizer、ローカライザー
GPGlide Path、グライドパス
VORVHF Omnidirectional Radio Range
DMEDistance Measuring Equipment
TACANTactical Air Navigation
LGTLightまたはLights、灯火

状態や変更

略号意味
CLSDClosed、閉鎖
U/SUnserviceable、使用不能
AVBLAvailable、使用可能
ACTActiveまたはActivated、有効・活動中
WIPWork in Progress、作業中
OBSTObstacle、障害物
CHGChange、変更
CNLCancel、取消
TEMPOTemporary、一時的
PERMPermanent、恒久的
ESTEstimated、推定

空域活動

略号・表記意味
AIR DISPLAY航空展示、展示飛行
AEROBATICS曲技飛行
EXERExercise、訓練
FRNGFiring、射撃
UNMANNED ACFT無人航空機
PJEParachute Jumping Exercise、パラシュート降下
GLDGlider、グライダー
FLTFlight、飛行
ACFTAircraft、航空機
SARSearch and Rescue、捜索救難
HELHelicopter、ヘリコプター
VMCVisual Meteorological Conditions、有視界気象状態

位置・範囲・条件

略号意味
WIWithin、~以内
BTNBetween、~の間
FMFrom、~から
TILUntil、~まで
EXCExcept、~を除く
DUE~による、~を理由として
RMKRemark、備考
MAXMaximum、最大
MINMinimum、最小
NMNautical Mile、海里
DEGDegree、度
RADIUS半径

短いNOTAMの解読例

滑走路閉鎖

RWY 06/24 CLSD DUE WIP

「滑走路06/24は、工事のため閉鎖」という意味です。

「06/24」は1本の滑走路を両方向から見た番号です。「/」は分数ではなく、反対方向の滑走路番号を区切っています。

誘導路閉鎖

TWY A CLSD

「誘導路Aは閉鎖」という意味です。

VOR/DME使用不能

VOR/DME U/S

「VOR/DMEは使用不能」という意味です。

無人航空機の飛行

UNMANNED ACFT FLT WI A RADIUS OF 3NM

「指定された地点を中心とする半径3NM以内で、無人航空機が飛行する」という意味です。

障害物

OBST CRANE ERECTED

「クレーンが設置されている」という意味です。実際のNOTAMには、位置、標高、高さ、灯火の有無などが記載されます。

NOTAMで使われる記号

NOTAMには航空図のような図記号はあまり使われませんが、項目を区切る記号や一定の表記規則があります。

記号・表記意味
Q)~G)NOTAMの各項目を示す
/Q行の項目、滑走路の両方向などを区切る
時刻や数値の範囲を示す
:見出しの後に詳細が続く
( )地名、補足、備考など
X機数や数量を示す場合の掛け合わせ表記
372325N北緯37度23分25秒
1365452E東経136度54分52秒
008Q行では半径8NM
000/999Q行の下限・上限に使われる既定値

表示サービスによって、改行、空白、コロンなどの体裁が多少異なる場合があります。重要なのは文字の配置よりも、各項目の意味を正しく確認することです。

SNOWTAMとは

SNOWTAMは、雪、氷、霜、スラッシュ、滞水などによる滑走路や飛行場面の状態を通知するための特別なNOTAMシリーズです。

通常のNOTAMとは異なる専用の書式を使用し、滑走路状態コード、汚染物質の種類、範囲、深さなどが報告されます。

降雪地域の空港では、離着陸性能や制動状態を判断する重要な情報になります。

ASHTAMとは

ASHTAMは、火山活動の変化や火山灰雲など、航空機の運航に重大な影響を与える情報を通知するための特別なNOTAMシリーズです。

火山の名称、位置、警戒レベル、火山灰雲の範囲、高度、移動方向などが記載されます。

火山灰は航空機のエンジンや各種装置へ深刻な影響を与える可能性があるため、通常の気象情報と併せて確認されます。

Trigger NOTAMとは

Trigger NOTAMは、AIRAC方式で発行されたAIP AmendmentやAIP Supplementについて、その発効を利用者へ知らせるためのNOTAMです。

E項には「TRIGGER NOTAM」と、対象となるAIP AmendmentまたはAIP Supplementの番号、発効日、概要などが記載されます。

Trigger NOTAMだけで変更内容のすべてを把握するのではなく、指定されたAIP AmendmentやAIP Supplementの本文を確認する必要があります。

日本国内のNOTAMはどこで確認できる?

国土交通省「SWIM portal」

2026年3月4日から、日本国内の公式なNOTAM検索は、国土交通省の「SWIM portal」で提供されています。

以前利用されていた「AIS JAPAN」のNOTAM検索機能は、2026年3月4日をもって終了しました。古いブログ記事や案内にAIS JAPANのURLが掲載されている場合は注意が必要です。

NOTAMを検索する場合は、SWIM portalでアカウントを登録してログインし、「デジタルノータムリクエストサービス」を利用します。

SWIM portalでは、有効なNOTAMを検索できるほか、一部のNOTAMについてはグラフィック表示にも対応しています。ただし、すべてのNOTAMが地図表示されるわけではありません。最終的には原文のE項、座標、高度、時間を確認する必要があります。

SWIM portalでの基本的な検索方法

  • SWIM portalへログインする
  • デジタルノータムリクエストサービスを開く
  • 対象となる有効日時を指定する
  • 飛行場またはFIRのロケーションを指定する
  • 検索結果から有効なNOTAMを確認する
  • NOTAMN、NOTAMR、NOTAMCの関係を確認する
  • A~G項目を読み、必要に応じてAIPやAIP Supplementも確認する

例えば、小松空港・小松飛行場に関するNOTAMは「RJNK」、能登空港は「RJNW」を指定します。

日本国内の広域的な空域活動を調べる場合は、福岡FIRの地点略号「RJJJ」も使用されます。空港の地点略号だけでは、航空路や広域空域に関するNOTAMを拾えないことがあるため、調べたい内容に応じて検索範囲を選びましょう。

Qコードを調べる参照先

Qコードを詳しく調べたい場合は、FAAが公開している国際NOTAMコード一覧が参考になります。

これは国際NOTAMコードの対象2文字と状態2文字を一覧化したものです。ただし、日本国内の現在有効なNOTAMを確認するサービスではありません。日本のNOTAM原文は、国土交通省のSWIM portalで確認してください。

地図表示を補助的に使う

NOTAMの座標や範囲を地図上で確認したい場合は、民間の地図表示サービスも便利です。

ただし、民間サービスは位置関係を把握するための補助です。情報の遅延、表示対象外、座標や高度の変換差などが生じる可能性があるため、航空機の運航や無人航空機の飛行判断では、必ずSWIM portalの公式情報を確認しましょう。

NOTAMを読むときの注意点

時刻はUTC

B項、C項、D項の時刻はUTCです。日本時間に直す場合は9時間を加えます。加算によって日付が翌日になる場合があるため、日付も含めて変換します。

A項だけで場所を判断しない

A項は関係する飛行場またはFIRです。実際の活動場所はE項の座標、地名、半径、区域を確認します。

Q行だけで判断しない

Q行は検索・分類用の情報です。実際の内容はE項、高度はF項とG項を確認します。

D項を見落とさない

B項からC項までの全期間中、活動が続いているとは限りません。D項がある場合は、実際の活動時間を確認します。

ESTを通常の終了時刻と混同しない

EST付きのC項は推定終了時刻です。最新の取消・差し替えNOTAMを確認します。

NOTAMRとNOTAMCを確認する

古いNOTAMが新しいNOTAMに置き換えられたり、取り消されたりする場合があります。保存した電文だけを見ず、検索時点の最新情報を確認します。

発行されても実施されるとは限らない

航空展示、訓練、射撃、無人航空機の飛行などは、天候、機材、救難活動、運用上の事情で中止または変更される場合があります。

NOTAMは予定された活動の範囲を公示するものであり、実施を保証するものではありません。

NOTAMだけで全体を判断しない

長期間の変更はAIP Supplement、恒久的な基本情報はAIP、気象状況はMETAR、TAF、SPECIに掲載されます。

NOTAMだけを検索するのではなく、目的に応じて複数の航空情報を組み合わせましょう。

検索した時点の情報であることを意識する

NOTAMは随時、発行、差し替え、取消が行われます。数日前に確認した内容が、当日も同じとは限りません。

運航や飛行に関する判断では、出発前や活動前に最新情報を再確認することが重要です。

初心者が覚えておきたい5つのポイント

NOTAMを初めて読む場合は、次の5点から覚えると理解しやすくなります。

  1. A項は「どこ」
  2. B・C・D項は「いつ」
  3. E項は「何が起きるか」
  4. F・G項は「どの高度か」
  5. Q行は「検索と分類のための符号」

Qコードや略号をすべて暗記する必要はありません。まずE項の本文を読み、分からない略号だけを調べる方法で十分です。

まとめ

NOTAMは、航空施設、航空業務、飛行方式、空域、障害物、航空上の危険などについて、航空機の運航に必要な一時的・緊急性のある情報を迅速に知らせる航空情報です。

AIPが航空運航の恒久的・長期的な基本資料であるのに対し、NOTAMは滑走路閉鎖、施設故障、工事、無人航空機、展示飛行、訓練など、その時点での変更や活動を伝えます。

NOTAMを読むときは、A項の場所、B・C・D項の日時、E項の内容、F・G項の高度という順番で確認すると、初心者でも概要をつかみやすくなります。Q行は情報を検索・分類するための符号であり、対象、状態、飛行方式、目的、範囲、高度、座標などがまとめられています。

ただし、NOTAMの発行は、必ずしも空域への進入禁止や活動の実施を意味するものではありません。本文の内容、関係法令、AIP、AIP Supplement、気象情報などを併せて確認する必要があります。

日本国内のNOTAMは、国土交通省のSWIM portalにあるデジタルノータムリクエストサービスで確認できます。古いAIS JAPANの案内ではなく、最新の公式サービスを利用し、検索した時点で有効な情報を確認しましょう。

METAR、TAF、SPECI、AIP、NOTAMの役割を理解すると、航空無線で聞こえる運用、使用滑走路、訓練、展示飛行、空港施設の状況を、より深く正確に読み解けるようになります。

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!
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