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AIP(航空路誌)とは?航空情報の見方・構成・記号・参照方法を初心者向けに解説

アマチュア無線局 JF9OYU/ライセンスフリー無線局 いしかわJK946 です。いつもブログをお読みいただきまして、心より感謝申し上げます。

航空無線や航空機の運航について調べていると、METAR、TAF、SPECI、NOTAMなどとともに、「AIP」という言葉を目にします。AIPは「Aeronautical Information Publication」の略で、日本語では「航空路誌」と呼ばれます。

METARやTAFが飛行場の気象情報、NOTAMが一時的または緊急性のある変更情報を伝えるものであるのに対し、AIPには、空港、滑走路、航空路、空域、無線施設、飛行方式など、航空機の運航に必要な基本情報が体系的に収録されています。

一見すると専門用語と数字ばかりの難しい資料ですが、「GEN」「ENR」「AD」という3つの区分と、各項目の番号が分かれば、必要な情報を比較的簡単に探せるようになります。本記事では、AIPの概要、構成、見方、用語・記号、国内での参照方法を初心者向けに解説します。

AIPとは

AIPは、航空機の運航に必要な、恒久性を持つ航空情報を収録した公式資料です。国際民間航空機関ICAOの基準に沿って各国が発行しており、日本では国土交通省航空局が航空情報として提供しています。

AIPには、主に次のような情報が掲載されています。

  • 航空に関係する法令、規則、手続き
  • 飛行計画の提出方法
  • 管制空域や飛行情報区
  • 航空路とウェイポイント
  • VOR、DME、TACANなどの航空保安無線施設
  • 飛行禁止区域、飛行制限区域、危険区域
  • 空港や飛行場の所在地、標高、運用時間
  • 滑走路、誘導路、エプロンの諸元
  • 管制、ATISなどの通信周波数
  • ILSなどの進入・着陸援助施設
  • SID、STAR、計器進入方式
  • 空港平面図や計器進入図などの航空図

AIPは、一般的な旅行案内や空港の利用案内ではありません。航空機を安全かつ効率的に運航するための、航空関係者向けの公式な技術資料です。

AIP・NOTAM・METAR・TAFの違い

航空情報は、それぞれ役割が異なります。

情報主な内容情報の性質
AIP空港、航空路、空域、飛行方式、無線施設など恒久的・長期的な基本情報
AIP AmendmentAIPに収録される恒久的な変更AIPの正式な改訂
AIP Supplement長期間の一時的変更や図面を伴う情報AIPの一時的な補足
NOTAM施設の停止、工事、訓練、危険情報など短期的・緊急性のある情報
AIC航空に関する説明、助言、行政的な情報解説・周知を目的とする情報
METAR・SPECI飛行場の気象実況現在の気象情報
TAF飛行場周辺の気象予報将来の気象情報

例えば、小松空港・小松飛行場の滑走路の長さや管制周波数、計器進入方式の基本情報はAIPで確認します。一方、滑走路が一時的に閉鎖されている、ILSが故障している、周辺空域で訓練が行われるといった情報はNOTAMで確認します。

つまり、AIPだけを見れば現在の運航状況がすべて分かるわけではありません。実際の運航では、AIPを基本資料としたうえで、最新のNOTAM、気象情報、運航情報を併せて確認します。

AIPの基本構成は「GEN・ENR・AD」

AIPは、国際的に統一された考え方に基づき、主に次の3部で構成されています。

区分正式名称主な内容
GENGeneral一般事項、法令、手続き、略号、各種サービス
ENREn-route航空路、空域、航法施設、ウェイポイント、警戒区域
ADAerodromes空港・飛行場ごとの施設、滑走路、周波数、飛行方式

初心者は、まず「何を調べたいか」によって、この3つを使い分けると分かりやすくなります。

  • 航空に関する一般的な規則や略号を調べたい場合はGEN
  • 航空路、空域、ウェイポイントを調べたい場合はENR
  • 特定の空港や飛行場を調べたい場合はAD

空港の情報を調べる機会が多い人は、最初にADから見るのがおすすめです。

GEN:一般事項

GENは「General」の略で、その国における航空の法令、制度、手続き、航空情報業務、気象業務、通信業務などがまとめられています。

GENは、おおむね次のように分かれています。

項目主な内容
GEN 0AIPの序文、改訂記録、目次
GEN 1国内の規則、入出国、航空機・乗務員に関する要件
GEN 2単位、時間、略号、記号、地点略号、換算表
GEN 3航空情報、気象、通信、捜索救難などのサービス
GEN 4空港や航空保安施設などの料金

初心者に特に役立つのが、GEN 2です。

GEN 2.2:略号

GEN 2.2には、AIPや航空情報で使用される略号と意味が掲載されています。知らない略号が出てきた場合の辞書として利用できます。

GEN 2.3:航空図の記号

GEN 2.3には、航空図で使用される記号が掲載されています。空港、滑走路、VOR、DME、NDB、障害物、飛行禁止区域などの記号を調べるときに使用します。

GEN 2.4:地点略号

GEN 2.4には、空港や航空機関に割り当てられたICAO地点略号が掲載されています。

日本国内の例は次のとおりです。

地点略号場所
RJNK小松空港・小松飛行場
RJNW能登空港
RJTT東京国際空港・羽田空港
RJAA成田国際空港
RJBB関西国際空港
RJFF福岡空港
RJJJ福岡FIR

航空会社の予約などで使用される3文字のIATAコードとは異なります。例えば、小松空港のIATAコードは「KMQ」ですが、AIPやMETAR、TAF、NOTAMなどではICAO地点略号の「RJNK」が使用されます。

ENR:航空路と空域

ENRは「En-route」の略で、空港から空港へ向かう途中の空域、航空路、航法施設、ウェイポイントなどが掲載されています。

項目主な内容
ENR 0ENRの目次、改訂記録
ENR 1一般的な飛行規則、飛行計画、管制手続き
ENR 2FIR、管制空域、ターミナル空域
ENR 3ATSルート、RNAVルート、その他の飛行経路
ENR 4航空保安無線施設、ウェイポイント
ENR 5飛行禁止・制限・危険区域、訓練区域、その他の航空活動
ENR 6航空路図、空域図など

ENR 2:空域

ENR 2には、FIR、管制区、ターミナル管制区などの空域が掲載されています。空域の名称、水平範囲、上限・下限、空域のクラス、担当管制機関、使用周波数などを確認できます。

ENR 3:航空路

ENR 3には、航空機が飛行計画で使用する航空路やRNAVルートが掲載されています。ルート名、構成する地点、方位、区間距離、高度制限などを確認できます。

航空路名の例として、次のような表記があります。

Y12
Y28
V30
A1
G581

航空路の名称はアルファベットと数字で構成されます。現在はRNAVルートも多く使用されており、実際の経路はルートを構成するウェイポイントと併せて確認します。

ENR 4.1:航空保安無線施設

ENR 4.1には、航空路上で使用されるVOR、DME、TACANなどの名称、識別符号、周波数、座標、運用時間が掲載されています。

ENR 4.4:ウェイポイント

ENR 4.4には、無線施設が設置されていない地点を含む、重要地点の名称と座標が掲載されています。航空路や出発・到着経路で使われるウェイポイントは、原則として発音可能な5文字の名称が使用されます。

KINKA
MIDER
RINTO

AIPでは、ウェイポイント名だけでなく、緯度・経度、関連する航空路、備考も確認できます。

ENR 5:飛行禁止・制限・危険区域

ENR 5には、次のような空域や活動が掲載されています。

  • 飛行禁止区域
  • 飛行制限区域
  • 危険区域
  • 自衛隊や米軍などの訓練区域
  • 防空識別圏
  • 航空機の運航に影響するその他の活動
  • 航空スポーツやレクリエーション活動

空域の恒久的な位置や高度はAIPに掲載されますが、実際に訓練や活動が行われる日時はNOTAMで通知される場合があります。

AD:空港・飛行場の情報

ADは「Aerodromes」の略で、空港や飛行場ごとの情報が掲載されています。航空無線や空港施設について調べる場合、最も見る機会が多い部分です。

小松空港・小松飛行場を調べる場合は、ADの中からICAO地点略号「RJNK」を探します。

RJNK AD 2 KOMATSU

この表記は、「小松空港・小松飛行場に関するAD第2部の情報」という意味です。

AD 2で確認できる主な項目

項目主な内容
AD 2.1地点略号と飛行場名
AD 2.2所在地、座標、標高、管理者など
AD 2.3空港、管制、税関などの運用時間
AD 2.6消防・救難能力
AD 2.8エプロン、誘導路、チェックポイント
AD 2.10飛行場周辺の障害物
AD 2.11提供される航空気象情報
AD 2.12滑走路の方位、長さ、幅、舗装など
AD 2.13離着陸に使用できる公示距離
AD 2.14進入灯、滑走路灯など
AD 2.17飛行場周辺の管制空域
AD 2.18管制、ATISなどの通信施設・周波数
AD 2.19ILS、VOR、DME、TACANなど
AD 2.20飛行場独自の規則
AD 2.21騒音軽減方式
AD 2.22出発、到着、進入などの飛行方式
AD 2.23追加情報、注意事項
AD 2.24空港平面図、SID、STAR、進入図など

すべてを最初から読む必要はありません。滑走路を調べるならAD 2.12、管制周波数ならAD 2.18、ILSなどの施設ならAD 2.19、航空図ならAD 2.24というように、目的に合わせて項目番号を選びます。

AIPの表を読む具体例

滑走路番号「RWY 06/24」

RWY 06/24

RWYは「Runway」、滑走路を意味します。滑走路は両方向から使用できるため、原則として反対方向の番号が併記されます。

滑走路番号は、進入方向から見た滑走路中心線の磁方位を10分の1にし、原則として最も近い整数にしたものです。

  • RWY 06:約060度方向へ進入・離陸する側
  • RWY 24:約240度方向へ進入・離陸する側

反対方向との差は原則として18です。平行滑走路がある場合は、「L=Left」「C=Centre」「R=Right」を付けて区別します。

RWY 16L
RWY 16C
RWY 16R

滑走路の長さと幅

2700 × 45 M

これは、滑走路の長さが2,700m、幅が45mであることを示します。AIPで使用する単位は項目によって異なるため、長さがメートルなのかフィートなのか、距離がNMなのかを確認します。

公示距離

AD 2.13には、離着陸に使用できる距離が掲載されています。

略号正式名称意味
TORATake-off Run Available離陸滑走に使用できる距離
TODATake-off Distance Available離陸距離として使用できる距離
ASDAAccelerate-Stop Distance Available加速後に離陸中止して停止できる距離
LDALanding Distance Available着陸滑走に使用できる距離

滑走路そのものの長さと、離着陸に使用できる距離が常に同じとは限りません。移設された滑走路末端、クリアウェイ、ストップウェイなどによって数値が異なる場合があります。

運用時間

H24

H24は「24時間運用」を意味します。

2300-1100

このような時刻は、AIPでは原則としてUTCで記載されます。日本時間に換算する場合は9時間を加えます。ただし、項目や注記によって基準が指定されている場合があるため、GENに記載された時間制度も確認します。

NIL

NIL

NILは「該当する情報なし」「なし」という意味です。記載漏れを意味するのではなく、その欄に公示すべき情報がないことを示します。

PPR

PPR

PPRは「Prior Permission Required」の略で、事前許可が必要という意味です。飛行場の利用、駐機、特定の運航などに条件として記載される場合があります。

U/S

U/S

U/Sは「Unserviceable」の略で、使用不能または運用できない状態を意味します。恒久的な基本情報よりも、一時的な故障を知らせるNOTAMで目にする機会が多い表記です。

舗装強度のPCR

PCR

PCRは「Pavement Classification Rating」の略で、滑走路、誘導路、エプロンなどの舗装強度を表す現在のICAO方式です。航空機側のACRと比較し、その航空機が舗装を使用できるか判断するために利用されます。

以前はPCNとACNが使用されていましたが、ICAOでは2024年11月からACR・PCR方式が適用されています。古い資料ではPCN表記が残っている場合があるため、資料の発行時期を確認しましょう。

管制周波数の見方

AD 2.18には、管制機関や航空情報業務の名称、呼出名称、周波数、運用時間などが掲載されています。

APP
TWR
GND
DELIVERY
ATIS
表記主な役割
APPApproach Control、進入管制
TWRTower、飛行場管制
GNDGround Control、地上管制
DELIVERY管制承認の伝達
ATIS飛行場情報放送
RDO/INFO情報提供や対空援助業務など

同じ飛行場でも、時間帯、使用滑走路、航空機の位置、業務の分担によって使用する周波数が異なる場合があります。また、AIPに掲載された周波数が一時的に変更または停止されていることもあるため、最新のNOTAMも確認します。

航空保安施設の略号

AD 2.19やENR 4.1では、次のような航空保安施設の略号が使用されます。

略号正式名称概要
VORVHF Omnidirectional Radio Range方位情報を提供する無線施設
DMEDistance Measuring Equipment施設までの距離情報を提供
VOR/DMEVORとDMEの併設施設方位と距離を提供
TACANTactical Air Navigation主に軍用で使用される方位・距離施設
VORTACVORとTACANの併設施設民間・軍用双方に対応
ILSInstrument Landing System滑走路への進入方向と降下経路を提供
LOCLocalizerILSの水平方向の誘導
GPGlide PathILSの垂直方向の誘導
GNSSGlobal Navigation Satellite System衛星測位システム

施設名の横には、識別符号、周波数またはチャンネル、座標、運用時間、備考などが掲載されます。

AD 2.24の航空図

AD 2.24には、各飛行場に関連する航空図が収録されています。

空港平面図

空港平面図には、滑走路、誘導路、エプロン、駐機場、管制塔、標識、灯火、滑走路停止位置などが描かれています。

主な略号は次のとおりです。

略号意味
RWY滑走路
TWY誘導路
APRONエプロン
THR滑走路末端
ARP飛行場標点
ELEV標高
WDI風向指示器
ABN飛行場灯台

誘導路は「TWY A」「TWY B」のようにアルファベットで識別されます。

SID

SIDは「Standard Instrument Departure」の略で、標準計器出発方式です。離陸後、航空路や所定の地点へ向かうまでの経路、高度、速度制限などが示されます。

STAR

STARは「Standard Instrument Arrival」の略で、標準計器到着方式です。航空路から空港周辺の進入開始地点へ向かう経路が示されます。

計器進入図

計器進入図には、ILS、VOR、RNPなどを使用して滑走路へ進入する方式が描かれています。

ILS Z RWY 06
RNP RWY 24
VOR RWY 06

「ILS Z RWY 06」は、滑走路06に対するILS進入方式のうち、識別文字Zが付けられた方式という意味です。同じ種類の進入方式が複数ある場合は、Z、Y、Xなどで区別されます。

計器進入図では、進入経路、方位、距離、高度制限、最低降下高度、進入復行経路などを確認できます。

航空図でよく見る用語

略号意味
ALTAltitude、高度
FLFlight Level、フライトレベル
MSAMinimum Sector Altitude、最低区域高度
DA/HDecision Altitude/Height、決心高度/高
MDA/HMinimum Descent Altitude/Height、最低降下高度/高
OCA/HObstacle Clearance Altitude/Height、障害物間隔高度/高
FAFFinal Approach Fix、最終進入フィックス
IFIntermediate Fix、中間進入フィックス
IAFInitial Approach Fix、初期進入フィックス
MAPtMissed Approach Point、進入復行点
MAX IAS最大指示対気速度
AT OR ABOVE指定高度以上
AT OR BELOW指定高度以下

例えば、次のような表記があります。

4000

高度の下に線がある場合は「4,000ft以上」、上に線がある場合は「4,000ft以下」、上下に線がある場合は「4,000ftを維持」というように、線の位置が高度制限を表すことがあります。実際の記号は航空図の凡例とGEN 2.3で確認してください。

AIP Amendmentとは

AIP Amendmentは「航空路誌改訂版」で、AIPに収録される恒久的な新情報や、既存情報の恒久的な変更を反映するものです。滑走路の名称変更、新しい航空路や飛行方式の設定、管制周波数の恒久的変更などが該当します。

eAIPでは、改訂内容が有効日ごとの版に反映されます。古いPDFを保存して使用する場合は、その資料が現在も有効か確認しなければなりません。

AIP Supplementとは

AIP Supplementは「航空路誌補足版」で、AIPに掲載された情報の一時的な変更のうち、比較的長期間に及ぶものや、図面を伴う複雑な情報などに使用されます。

例えば、次のような内容です。

  • 長期間にわたる滑走路や誘導路の工事
  • 空港施設の大規模な変更
  • 仮設誘導路や仮設エプロンの運用
  • 大規模行事に伴う空域や飛行方式の変更

AIP Supplementが発行されている期間中は、通常のAIPだけを見ると一時的な変更を見落とす可能性があります。

AIRACとは

AIRACは「Aeronautical Information Regulation and Control」の略で、日本語ではエアラックと呼ばれます。

航空路、空域、航法施設、飛行方式など、運航上重要な変更を世界共通の有効日に合わせて実施し、利用者が事前に準備できるようにする仕組みです。AIRAC情報は、原則として有効日の少なくとも28日前までに利用者へ届くよう発行されます。

AIRACの有効日は28日周期で設定されています。AIPの画面では、現在有効な版だけでなく、将来有効になる改訂版が掲載されている場合があります。

ここで重要なのは、「発行日」と「有効日」は同じではないということです。

Publication date:公開・発行された日
Effective date:実際に変更が有効になる日

将来版を見て現在の運用と勘違いしないよう、必ずEffective dateを確認しましょう。

日本のAIPはどこで確認できる?

2026年3月4日から、日本のAIPは国土交通省の「SWIM portal」で提供されています。以前利用されていた「AIS JAPAN」はSWIMへ統合されました。

SWIM portal

https://top.swim.mlit.go.jp/swim

利用する場合は、SWIM portalでアカウントを作成してログインし、次のサービスを選択します。

  • AIP閲覧サービス
  • AIPファイルダウンロードサービス

AIP閲覧サービスでは、ブラウザ上でAIPを確認できます。AIPファイルダウンロードサービスでは、AIPのPDFファイルなどをダウンロードできます。

個人名でもアカウント登録が可能です。画面構成や申請手順は変更される場合があるため、ログイン後のヘルプやサービス説明書も確認してください。

空港情報を探す基本手順

小松空港・小松飛行場を例にすると、次の流れで探します。

  1. SWIM portalへログインする
  2. AIP閲覧サービスを開く
  3. 有効日を確認する
  4. 「AD」を選択する
  5. 地点略号「RJNK」または「KOMATSU」を探す
  6. 目的に応じてAD 2.12、AD 2.18、AD 2.19、AD 2.24などを開く
  7. AIP SupplementとNOTAMも併せて確認する

航空路やウェイポイントを探す場合はENR、略号や記号を調べる場合はGENを選択します。

AIPを見るときの注意点

有効日を確認する

AIPには現在有効な版と、将来有効になる版が掲載されることがあります。表紙や画面に表示されるEffective dateを確認してください。

NOTAMも確認する

AIPは基本情報です。施設の故障、工事、閉鎖、訓練などの最新情報はNOTAMで通知されます。

AIP Supplementを確認する

長期間の工事や一時的な飛行方式の変更は、AIP Supplementとして発行される場合があります。

時刻の基準を確認する

航空情報の時刻は原則としてUTCです。日本時間へ換算する場合は9時間を加えますが、日付をまたぐ場合があるため注意が必要です。

高度の基準を確認する

高度には、平均海面を基準とするAltitude、地表面からのHeight、標準気圧を基準とするFlight Levelなどがあります。同じ数字でも基準が異なれば意味も異なります。

古いPDFをそのまま使わない

以前保存したAIPや航空図は、現在の情報と異なる可能性があります。周波数、飛行方式、ウェイポイント、高度制限などが変更されることもあるため、最新の有効版を確認しましょう。

航空無線の受信と航空機の運航を区別する

航空無線を受信する目的で周波数や飛行経路を調べる場合にもAIPは役立ちますが、実際の航空機の運航判断には、AIP、NOTAM、気象情報、運航者の規程、管制機関の指示などを総合的に確認する必要があります。

初心者はどこから見ればよい?

最初からAIP全体を読もうとすると、その情報量に圧倒されます。まずは興味のある空港を1つ選び、次の順番で見ると理解しやすくなります。

  1. AD 2.1で空港名と地点略号を確認する
  2. AD 2.2で所在地、座標、標高を確認する
  3. AD 2.12で滑走路の方位、長さ、幅を確認する
  4. AD 2.18で管制やATISの周波数を確認する
  5. AD 2.19でILS、VOR、DME、TACANなどを確認する
  6. AD 2.24で空港平面図や進入図を見る
  7. 分からない略号をGEN 2.2、記号をGEN 2.3で調べる

この順番で小松、能登、羽田、成田など複数の空港を比較すると、滑走路、管制方式、航空保安施設の違いが見えてきます。

まとめ

AIPは、空港、航空路、空域、無線施設、飛行方式など、航空機の運航に必要な基本情報をまとめた公式の航空路誌です。

AIPは、一般事項のGEN、航空路や空域のENR、空港・飛行場情報のADという3つの区分で構成されています。特定の空港について調べる場合はAD、ウェイポイントや航空路を調べる場合はENR、略号や航空図の記号を確認する場合はGENを見ると、目的の情報を探しやすくなります。

ただし、AIPは恒久的・長期的な基本情報であり、現在の施設停止や一時的な閉鎖、訓練などをすべて反映しているわけではありません。実際の状況を確認する場合は、AIP Amendment、AIP Supplement、NOTAM、METAR、TAF、SPECIなども組み合わせる必要があります。

最初は専門用語が多く難しく感じますが、「GEN・ENR・AD」「地点略号」「項目番号」の3つを意識すれば、必要な情報へたどり着けるようになります。航空無線や航空機の運航をより深く理解するうえで、AIPは欠かすことのできない基本資料です。

主な参照先

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!
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