第19回ホクリク・デジコミーティング開催のご報告

エフエム高知に35日間の業務停止命令 FM放送は停波するのか?処分の内容と法的根拠を解説

アマチュア無線局 JF9OYU/ライセンスフリー無線局 いしかわJK946 です。いつもブログをお読みいただきまして、心より感謝申し上げます。

さて、2026年6月23日(火)、総務省四国総合通信局は、株式会社エフエム高知に対し、電波法に基づく35日間の業務停止命令と業務改善命令を行ったと発表しました。

「エフエム高知に35日間の業務停止」と聞くと、ラジオ放送そのものが停止し、35日間にわたってFM放送が聴けなくなるのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、今回停止を命じられたのは、エフエム高知が「登録検査等事業者」として行っている無線設備の点検業務です。放送番組の制作や送出、放送用無線局の運用を停止する処分ではありません。

エフエム高知が公表した不正の内容

エフエム高知は2026年3月20日、自社ホームページに「お詫びとご報告」を掲載し、総務省四国総合通信局に提出した無線局の点検結果に「架空の数値を記入した」と公表しました。

その後、四国総合通信局は5月19日に立入検査を実施し、6月23日付で行政処分を行いました。四国総合通信局は違反の概要について、「登録に係る点検の結果を偽って通知した」と説明しています。

一方、現在公表されている資料では、対象となった無線局、点検の件数、架空の数値が記入された経緯などは明らかにされていません。

登録検査等事業者とは

今回の処分を理解するためには、エフエム高知が放送事業者であると同時に、「登録検査等事業者」として無線設備の点検業務も行っていることを分けて考える必要があります。

無線局を開設したり、設備を変更したり、継続して運用したりする際には、無線設備が免許の内容や電波法令に適合しているかを確認する検査が行われます。

登録検査等事業者制度は、総務大臣の登録を受けた民間事業者が無線設備などの検査または点検を行う制度です。免許人がその結果を総務省へ提出することで、従来は国が直接行っていた無線局の検査を省略したり、一部を省略したりできる場合があります。

このため、登録検査等事業者が作成する点検結果は、単なる社内資料ではありません。国が無線局の検査を省略できるかどうかを判断する際に使われる重要な資料であり、正確性が強く求められます。

35日間の業務停止命令

四国総合通信局が停止を命じたのは、「登録に係る点検の業務の全部」です。業務停止期間は、2026年6月24日から7月28日までの35日間となっています。

法的根拠は、電波法第24条の10第4号です。同条では、登録検査等事業者が、登録に係る点検の結果を偽って通知したことが判明した場合、総務大臣は登録を取り消すか、期間を定めて検査または点検業務の全部もしくは一部の停止を命じることができると定めています。

今回は登録そのものの取消しではなく、登録検査等事業者として行う点検業務の全部を35日間停止する処分となりました。なお、四国総合通信局の発表では、停止期間を35日間とした具体的な理由までは説明されていません。

業務改善命令とは

エフエム高知には、業務停止命令と併せて、電波法第24条の7第2項に基づく業務改善命令も出されました。

同項では、登録検査等事業者が、登録時に定めた方法によらずに検査または点検を行っていると認められる場合、総務大臣は、点検の実施方法や業務方法について必要な改善措置を命じることができると定めています。

業務改善命令は、単なる注意や要請ではなく、電波法に基づいて業務方法の改善を求める行政上の命令です。ただし、今回の公表資料には、具体的にどのような改善措置を命じたのかは記載されていません。

エフエム高知の放送は停波するのか

結論として、今回の行政処分によって、エフエム高知のFM放送が35日間停波するわけではありません。

停止の対象は、エフエム高知という会社のすべての業務ではなく、登録検査等事業者として行う「登録に係る点検の業務の全部」です。放送番組の制作や編成、CM営業、放送電波の送出などを停止する命令ではありません。

また、四国総合通信局の発表には、放送用無線局の免許取消し、無線局の運用停止、放送業務の停止といった処分は記載されていません。

ここでいう「登録」とは、放送局としての免許ではなく、無線設備の検査や点検を行う事業者としての登録を指します。そのため、「登録に係る点検業務の停止」と「放送局の停波」は、電波法上も別のものです。

なぜ点検結果の不正が問題になるのか

今回の処分は放送停止ではありませんが、点検結果に架空の数値を記入したことは、登録検査等事業者制度の信頼性に関わる問題です。

この制度は、登録検査等事業者が正確に無線設備を点検し、事実に基づく結果を報告することを前提として成り立っています。国が直接行う検査を省略できる場合がある以上、提出される測定値や点検結果が正しいことは制度を運用する上で欠かせません。

ただし、現在の公表資料からは、実際の無線設備に技術的な不適合があったのか、不正な点検結果によって電波障害や事故などが発生したのかまでは確認できません。

まとめ

エフエム高知が受けた行政処分は、同社が登録検査等事業者として行っている無線設備の点検業務に対するものです。

2026年6月24日から7月28日までの35日間、登録に係る点検業務の全部を停止するとともに、電波法に基づく業務改善命令が出されました。

一方、今回の処分に、エフエム高知の放送用無線局の運用停止や放送免許の取消しは含まれていません。そのため、この行政処分を理由としてFM放送が35日間停波することはありません。

今後は、エフエム高知が不正の原因や対象となった点検の範囲をどこまで説明するのか、また、どのような再発防止策を講じるのかが問われることになります。

出典・参考文献

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!
SNSでの拡散にもご協力いただけますと大変励みになります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です