第18回ホクリク・デジコミーティング開催のご報告

2026年5月24日(日)の無線活動日誌

いつもブログをお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
アマチュア無線局 JF9OYU/ライセンスフリー無線局 いしかわJK946です。

さて、早速ですが、2026年5月24日(日)の無線活動日誌をお届けします。

運用日時について

次の通り、5月24日(日)の運用日時をご紹介します。

運用日時(日本標準時)2026年5月24日(日) 17時30分頃〜 21時30分頃

運用場所について

次の通り、5月24日(日)の運用場所をご紹介します。

運用場所の紹介

宝達山 山頂 標高 637m

宝達山は、石川県羽咋郡宝達志水町にある標高637mの山で、能登半島の最高峰として知られています。山頂周辺からは日本海や能登半島の山並みを望むことができ、天候に恵まれれば遠く立山連峰方面まで見渡せる、石川県内でも眺望の良いスポットのひとつです。

新しく設置された看板
富山方面の眺望

宝達山の魅力は、車で山頂近くまで登ることができる点にもあります。アクセスルートは、石川県側から2ルート、富山県側から1ルートがあり、登山だけでなくドライブでも訪れやすい山です。山頂の手前には「宝達山山頂公園」として整備されたエリアがあり、休憩施設の「山の龍宮城」をはじめ、トイレや駐車場も整備されています。そのため、景色を楽しみながら気軽に立ち寄れる場所として、一般の観光やドライブにも向いています。

寄り道パーキング 宝達山 駐車場と山の竜宮城

一方で、標高があり、見通しの良い場所は無線運用にも適しています。平地では届きにくい電波も、山の上からであれば遠くまで飛ぶことがあり、宝達山はその電波の広がりを実感しやすい場所でもあります。夕暮れ時には日本海側の空が美しく染まり、アンテナ越しに見る景色もまた格別でした。

宝達山の顔出し看板

なお、ハンディ機などによる短時間・小規模な運用であれば問題になりにくいと思われますが、アンテナを設置するなど大掛かりな無線運用を行う場合は、トラブル防止のためにも、事前に宝達志水町へ確認・許可を得ておく方が無難です。観光で訪れる方も多い場所ですので、周囲への配慮を忘れず、安全に楽しみたいところです。

少し恐怖を感じる展望台

運用場所の詳細

運用地名宝達山
(ほうだつさん)
所在地石川県羽咋郡宝達志水町
緯度北緯36度46分55秒
軽度東経136度48分47秒
標高637.1m
グリットロケーターPM86js
市郡区番号JCG#

運用場所のGoogle Map

使用機材について

次の通り、5月24日(日)の使用機材をご紹介します。

アマチュア無線

使用無線機

ICOM IC-705

ICOM IC-705
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アイコム株式会社
HF+50MHz+144MHz+430MHz <SSB/CW/RTTY/AM/FM/DV>10Wトランシーバー IC-705

使用アンテナ

DIAMOND A430S15R2×2(スタック)

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第一電波工業株式会社
430MHz 空中線型式:八木型(DIGITAL対応) A430S15R2(15エレ)
 A430S15R2

運用記録について

次の通り、5月24日(日)の運用記録をご紹介します。

アマチュア無線(430MHz帯)

交信時間コールサイン周波数電波形式レポート
(相手局)
レポート
(自局)
運用場所
17:36JR2LQK433.060MHzFM5551岐阜県高山市
17:40JH9FBU433.060MHzFM5959石川県金沢市
17:43JH9VPH433.060MHzFM5959富山県富山市
17:51JA9BPH/9433.060MHzFM5959石川県金沢市(医王山三千坊展望台)
18:01JE9FJP/9433.060MHzFM5959石川県白山市(大阪屋ショップ)
18:11JF9SSL433.060MHzFM5959富山県富山市
18:15JH9STF433.060MHzFM5959石川県羽咋市
18:24JK1LMM/9433.060MHzFM5556石川県金沢市
18:47JF9ITT/9433.060MHzFM5353福井県丹生郡越前町
19:39JG3LAE433.060MHzFM5959京都府与謝郡与謝野町
20:25JA4NOV430.330MHzSSB5151鳥取県米子市
21:21JA4NOV433.100MHzFM5555鳥取県米子市

JG3LAE局とJA4NOV局との交信は宝達山山頂公園のトイレ前から、それ以外の交信は宝達山の一頭三角点付近からの運用となります。なお、JA4NOV局は第388回山陰UHFロールコールのキー局です。

正確な記録に努めておりますが、万一、記載内容に誤りがございましたら、お問い合わせフォームよりお知らせください。また、コールサインの掲載を希望されない方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、お問い合わせフォームよりご連絡くださいますようお願い申し上げます。

運用を終えて

今回の宝達山移動運用は、単に430MHz帯で移動運用を楽しむだけでなく、自分なりに予測していた日本海ダクトの発生を現地で確かめる、ひとつの検証運用でもありました。

ラジオダクトとは、気温・湿度・気圧の高度方向の変化によって、大気中の電波の屈折率が通常とは異なる分布になり、電波が特定の層に沿って遠くまで伝わりやすくなる現象です。電波の屈折率は、気圧、気温、水蒸気量から求められる「電波屈折度」によって説明され、特に低層大気の鉛直方向の変化は、見通し外伝搬やマルチパス、ダクト発生の可能性を考えるうえで重要な指標とされています。

日本海ダクトの場合、ポイントになるのは、海面付近に湿った空気が残り、その上に相対的に暖かい、または乾いた空気の層が重なることです。こうした状態になると、電波が上空へ逃げにくくなり、日本海の海面に沿うように遠方へ届くことがあります。とくに430MHz帯では、普段の見通し距離を大きく超えて、能登半島から山陰方面、条件が良ければさらに遠方まで信号が伸びることがあります。

この日の気象状況を振り返ると、5月24日(日)の金沢は、朝に雨、その後は曇り、15時以降は晴れとなりました。最高気温は26.0℃、最低気温は19.0℃、日降水量は1.0mm。18時の湿度は70%でしたが、21時には83%、24時には86%まで上がっており、日没後に地表付近の空気が冷えながら、湿った空気が残っていたことが分かります。

また、能登半島側の輪島では、同じ5月24日に日降水量11.5mmを記録し、21時の湿度は92%、露点温度も16.4℃と高めでした。これは、日本海側の低層に湿った空気がしっかり残っていたことを示しており、能登半島から山陰沖にかけての海上に、電波を曲げやすい大気の層が形成されやすい状況だったと考えられます。

さらに興味深いのが、輪島の21時の高層観測です。高度294mで気温15.7℃だったものが、432mでは16.7℃、665mでは16.9℃となっており、低い層の上に少し暖かい層が乗る「逆転」傾向が見られます。さらに高度1,680m付近から1,749m付近にかけては、相対湿度が79%から37%まで急激に下がっており、湿った層の上に乾いた層が重なる構造も確認できます。これは、電波屈折度の変化が大きくなりやすい大気構造です。

電波伝搬の世界では、電波屈折度Nに地球の曲率を加味した「修正屈折度M」を使って、大気の層を評価することがあります。Mが高度とともに減少する層があると、電波がその層に閉じ込められるように伝わる可能性が高まります。今回、輪島21時の高層観測値をもとに概算すると、高度1,680m付近から1,749m付近にかけて修正屈折度Mが低下する層があり、少なくとも日本海側の上空には、電波伝搬に影響を与えそうな屈折構造が存在していたと考えられます。

もちろん、これだけで「日本海上のどこに、何mの厚さでダクトができていた」と断定することはできません。実際の日本海ダクトを厳密に確認するには、能登半島沖から山陰沖にかけての海上における気温・湿度の鉛直分布を直接見る必要があります。しかし、当日の地上観測、高層観測、そして実際の430MHz帯の信号変化を重ね合わせると、この日の夕方から夜にかけて、日本海側で電波が伸びやすい条件が整っていたことは、かなり強く感じられました。

その変化は、運用中の耳でもはっきり分かりました。18時頃にはカスカスだった439.420MHzの孝霊山レピーターが、19時頃からはSメーター9まで振るようになりました。孝霊山レピーターは鳥取県西伯郡大山町の孝霊山に設置されている430MHz帯のレピーターで、通常の感覚では宝達山から安定して強力に聞こえる距離ではありません。

この時点で、能登半島から山陰方面にかけての日本海上に、430MHz帯を運ぶ“見えない電波の道”ができつつあるのではないかという期待が一気に高まりました。

そして20時から始まった第388回山陰UHFロールコールのSSBの部。キー局であるJA4NOV局のアナウンスは、最初こそかろうじて聞こえる程度でしたが、時間とともに少しずつ明瞭度が上がり、内容が聞き取れるようになった瞬間にコール。すると、何と一発でピックアップしていただき、お互い51でレポート交換となりました。

さらに21時からのFMの部では、JA4NOV局のアナウンスがS5で入感。20時台よりも明らかに信号は強くなっており、時間の経過とともに日本海ダクトが育っていくような変化を感じました。FMではローカル局に押し潰される場面もあり、なかなか届きませんでしたが、JA4IRJ局にヘルプいただき、何とかFMの部にもチェックインすることができました。

石川県金沢市の粟崎地区、いわゆる芋畑に移動されていたJR9JOO局も、苦戦されながらSSBの部、FMの部ともにチェックインされていました。宝達山だけでなく、海岸に近い金沢側からも山陰方面へのパスが確認できたことは、この日の日本海側の伝搬状況を考えるうえで、とても興味深い結果だったと思います。

天気図を読み、気温、湿度、露点、風、雨上がりのタイミング、日没後の変化を見ながら、「今日は夜にかけて開けるのではないか」と予測する。そして実際に山へ登り、アンテナを向け、Sメーターと耳で確かめる。

この一連の流れこそ、アマチュア無線の面白さだと思います。

目には見えない大気の層。
目には見えない日本海上の電波の道。
しかし、ノイズの向こうから山陰の声が浮かび上がった瞬間、それは確かに存在しているように感じられました。

今回の宝達山移動は、日本海ダクトの予測と実践が一本の線でつながった、非常にワクワクする運用となりました。まだまだ予測の精度は高くありませんが、気象データを読み、現地で試し、実際の交信結果と照らし合わせることで、少しずつ見えてくるものがあるように思います。

これだから430MHz帯はおもしろい!
これだから日本海ダクトの研究はやめられない!

次はどの天気図で、どの時間帯に、どの山から日本海へアンテナを向けるのか。またひとつ、楽しみな宿題が増えました。

5月24日(日)に交信していただきました皆さま、誠にありがとうございました。

またお空の上でお会いできることを楽しみにしております。

 

本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!
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