第21回ホクリク・デジコミーティング開催のご報告

8月23日(日)に「第21回ホクリク・デジコミーティング」を開催しましたので、皆さまにご報告申し上げます。

ホクリク・デジコミーティングとは、デジタル小電力コミュニティ無線機をお持ちの方であれば、どなたでもご参加いただけるロールコールです。

開催趣旨

ライセンスフリー無線には、市民ラジオ、特定小電力無線、デジタル簡易無線などがあります。その中では比較的新しい無線が、デジタル小電力コミュニティ無線です。通称「デジコミ」や「LCR」と呼ばれています。

デジタル小電力コミュニティ無線は142MHz帯と146MHz帯を使用し、送信出力は0.5Wです。小さな電力ではありますが、無線従事者資格や無線局免許、登録申請は必要なく、技術基準に適合した市販の無線機を購入すれば使用できます。また、GPS機能を利用することで、交信相手までのおおよその距離や方向を確認できる点も、この無線ならではのおもしろさです。

一方で、市民ラジオや特定小電力無線、デジタル簡易無線と比べると後発で、まだ利用者が多いとはいえません。せっかく面白い無線なのだから、実際に交信する機会を増やしたい。そんな思いから始めたのが、デジタル小電力コミュニティ無線専門のロールコール「ホクリク・デジコミーティング」です。

2021年から北陸を中心に開催し、単にチェックインするだけではなく、毎回の運用場所を変えたり、少しゲーム性を持たせたりしながら続けてきました。その後は生活環境や仕事の変化もあり、2021年1月23日に開催した第9回を最後に休止しましたが、2025年8月31日に第10回として再開しました。4年以上ぶりの開催でしたが、当日は27局の皆さまにチェックインしていただきました。

再開後は定期開催も考えていましたが、現在は仕事との兼ね合いもあり、不定期での開催としています。無理に毎月続けるよりも、開催できるときにきちんと続けていく方が良いと考えています。

2026年8月からは、9エリアで開催する回について、チェックイン局に距離ポイントと参加ポイントなどを付与する方式を取り入れました。一定期間の合計ポイントによって上位局などを表彰する仕組みです。遠距離交信だけを競うのではなく、継続して参加していただくことにも意味を持たせています。相手局までの距離が分かるデジタル小電力コミュニティ無線の特徴を、そのままロールコールの楽しみに生かした形です。

また、2026年からは9エリア以外で開催する「ホクリク・デジコミーティング出張編」も始めました。北陸以外から声を出すことで、普段は交信する機会のない局とつながることができますし、それをきっかけにデジタル小電力コミュニティ無線に興味を持つ方が増えればと思っています。

デジタル小電力コミュニティ無線の普及や活性化というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、まずは実際に無線機を使い、交信する機会を増やすことが大切だと考えています。

すでにデジタル小電力コミュニティ無線を楽しんでいる方はもちろん、無線機は持っているものの最近あまり使っていないという方も、タイミングが合いましたら気軽にチェックインしていただければと思います。

今後も無理のない範囲で、ホクリク・デジコミーティングを続けてまいります。

開催概要

第21回ホクリク・デジコミーティングの開催概要です。

名称第21回ホクリク・デジコミーティング
周波数デジタル小電力コミュニティ無線
(142MHz帯/146MHz帯)
開催日時2026年8月23日(日)
 
10時00分頃〜11時00分頃
運用場所(キー局運用地)刈安山展望台
(福井県あわら市・石川県加賀市)
運用担当(キー局)いしかわJK946
主催金沢レディオクラブ

運用場所の紹介

刈安山(福井県あわら市・石川県加賀市)

第21回ホクリク・デジコミーティングは、福井県あわら市と石川県加賀市の県境に位置する刈安山(かりやすやま)から運用しました。

刈安山は標高547.7メートル。山頂付近には点名「加里安」の二等三角点が設置されています。あわら市側は刈安山森林自然公園として整備され、展望台や東屋、屋外トイレなどの施設があり、山頂近くまで車で上ることができます。

日本海と福井平野
白山連峰

展望台からは、西に日本海、北に小松市方面、東に白山を望むことができ、さらに福井平野や加賀平野まで見渡せます。標高だけを見れば北陸にはさらに高い山が数多くありますが、刈安山は平野部に近く、周囲が大きく開けていることが特徴です。山頂付近には憩いの広場などもあり、本格的な登山をしなくても眺望を楽しめる場所として整備されています。

車で山頂へ向かうルートは、福井県あわら市側と石川県加賀市の山中温泉側があります。あわら市が案内しているルートは、国道8号の「北野」交差点から東へ入り、山頂まで約7キロの山道を上るコースです。

私は金沢方面から向かうこともあり、普段は山中温泉側から上っています。こちらからでも山頂まで車で行くことができますが、区間によっては道幅が狭く、対向車とのすれ違いに気を使う場所があります。一方、金津側からのルートは道幅にやや余裕があり、道路も比較的整備されている印象があります。初めて刈安山を訪れる方であれば、金津側から上る方が走りやすいと思います。

いずれのルートも山間部を通るため、落石や倒木、落ち葉による路面状況の変化には注意が必要です。また、刈安山森林自然公園の開山期間は4月20日から10月20日までで、それ以外の期間も公園へ入ることはできますが、水道とトイレは利用できません。積雪によって道路を通行できない場合もあります。

無線の移動運用という視点から見ると、刈安山は福井県と石川県の県境という立地が大きな特徴です。南西側には坂井平野から福井平野、北側には加賀平野が広がり、西側は日本海に開けています。このため、福井県嶺北地方と石川県加賀地方の双方を狙いやすく、小松市、能美市、白山市方面へも電波が飛んでいくことが期待できます。

特にデジタル小電力コミュニティ無線で使用する142MHz帯と146MHz帯は、山や建物などの影響を受ける一方、見通しの良い高所から運用すると、500mWという小さな送信出力でも遠距離交信につながることがあります。単純に標高が高ければよいというものではなく、交信したい方向に地形がどのように開けているかも重要です。その点で、二つの平野と日本海に面した刈安山は、VHF帯の電波がどのように飛んでいくのかを確かめるにも興味深い場所です。

山頂付近まで車で行けるため、無線機やバッテリー、アンテナなどの機材を運びやすいことも移動運用では大きな利点です。ただし、同じ山頂付近でも建物や樹木、斜面、自動車などの影響によって電波の飛び方は変わります。特に低出力のライセンスフリー無線では、運用場所を数メートル移したり、アンテナの位置を少し高くしたりするだけで受信状況が変わることもあります。

標高547.7メートルという高さ、福井・石川県境という位置、周囲の開けた地形、そして車で山頂付近まで上れる手軽さ。これらを合わせて考えると、刈安山はアマチュア無線やライセンスフリー無線の移動運用に適した場所の一つといえます。

Google マップ

使用機材

第21回ホクリク・デジコミーティングの使用機材です。

使用無線機

ALINCO DJ-PV1D

アルインコ株式会社
0.5W 18ch VHF デジタル小電力コミュニティ無線トランシーバー DJ-PV1D

使用アンテナ

DIAMOND AZ140

https://www.diamond-ant.co.jp/news/19_05.html

第一電波工業株式会社
140MHz帯デジタル小電力コミュニティ無線用モービルアンテナ AZ140

チェックインリスト

第21回ホクリク・デジコミーティングのチェックインリストです。

時間コールサインレポート
(自分)
レポート
(相手)
運用場所距離
(km)
10:02しずおかAB775455石川県河北郡内灘町(蓮湖渚公園)56
10:05きょうとNY2035857兵庫県豊岡市(来日岳)156
10:08ひょうごOS235555兵庫県豊岡市(来日岳)156
10:13にいがたHE2235152新潟県佐渡市(妙見山)272
10:16いしかわJR9005959石川県白山市(白山)40
10:17フクイNO29159M5-3福井県福井市(九頭竜川河川敷)19
10:20とやまHT275959石川県羽咋郡宝達志水町(宝達山山頂公園)74
10:25きょうとKP1275151京都府舞鶴市(空山)112
10:28いしかわAL525754石川県河北郡内灘町(蓮湖渚公園)56
10:33いしかわMK6155757石川県金沢市(高尾城址付近)42
10:36いしかわEM9175858石川県河北郡津幡町63

正確な記録に努めていますが、万一記載内容に誤りがございましたら、コメント欄にてお知らせください。

開催を終えて

刈安山展望台にアンテナを仮設

第21回ホクリク・デジコミーティングでは、10時02分のしずおかAB77局を皮切りに、10時36分のいしかわEM917局まで、合計11局にチェックインしていただきました。

最初にチェックインしていただいたのは、石川県河北郡内灘町の蓮湖渚公園から運用されていたしずおかAB77局で、距離は56km。その後、兵庫県豊岡市の来日岳から、きょうとNY203局ひょうごOS23局が相次いでチェックインし、いずれも156kmの交信となりました。

さらに、新潟県佐渡市の妙見山からは、にいがたHE223局がチェックイン。今回最長となる272kmを記録しました。続いて、石川県白山市の白山からいしかわJR900局が40km、福井県福井市の九頭竜川河川敷からフクイNO291局が19kmでチェックインしています。

石川県羽咋郡宝達志水町の宝達山山頂公園からは、とやまHT27局が74km、京都府舞鶴市の空山からは、きょうとKP127局が112kmでチェックインしました。

後半には、再び内灘町の蓮湖渚公園から、いしかわAL52局が56km、石川県金沢市の高尾城址付近から、いしかわMK615局が42km、そして石川県河北郡津幡町から、いしかわEM917局が63kmでチェックイン。近距離から遠距離まで、幅広い地域から電波が届く結果となりました。

今回の交信距離は、最短がフクイNO291局との19km、最長がにいがたHE223局との272kmでした。刈安山は標高547.7mと、北陸の移動運用地の中では特別に高い山ではありませんが、福井平野、加賀平野、日本海側へ開けた地形を反映するように、福井県、石川県、京都府、兵庫県、新潟県と広い範囲からチェックインしていただくことができました。

中でも、佐渡市の妙見山との272km、豊岡市の来日岳との156km、舞鶴市の空山との112kmと、100kmを超える交信が複数成立したことは印象に残りました。一方で、福井市との19kmをはじめ、40kmから70km台の交信も多く、デジタル小電力コミュニティ無線らしい近距離から遠距離までの広がりを感じる運用となりました。

今回チェックインしていただいた皆様、本当にありがとうございました。

また、当日はチェックインには至らなかったものの、各地で無線機を用意し、この時間に合わせて待機していただいた皆様にも感謝申し上げます。無線は、その時々の電波伝搬や地形、運用場所、わずかなタイミングの違いによって、声が届かないこともあります。それでも、ホクリク・デジコミーティングの開催に合わせて電波を探していただいたこと自体が、とてもありがたいことです。

チェックインできた局だけではなく、受信を試みてくださった局、こちらを呼んでくださったものの交信まで至らなかった局を含め、参加してくださる皆様がいてこそ成り立つホクリク・デジコミーティングだと思っています。

今回も各地からご参加いただきまして、本当にありがとうございました。

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