第1回ホクリク・デジコミーティング出張編開催のお知らせ

北陸から熊本へ、まずお見舞いの言葉を〜JARL北陸地方本部に願う心ある情報発信〜

アマチュア無線局 JF9OYU/ライセンスフリー無線局 いしかわJK946 です。いつもブログをお読みいただきまして、心より感謝申し上げます。

さて、2026年7月28日(火)の16時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の「令和8年熊本地震」が発生しました。熊本県宇城市と氷川町では最大震度7を観測し、その後も熊本県熊本地方や天草・芦北地方で震度5弱を観測する地震が相次ぎました。

被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。今なお不安な時間を過ごされている方々、避難生活を余儀なくされている方々もいらっしゃることと思います。一日も早く穏やかな日常を取り戻されることを、北陸の地から心より願っています。

地震に関する最新情報や防災上の注意事項については、気象庁「令和8年熊本地震」ポータルサイトをご確認ください。

イベントの開催や告知を批判したいのではありません

令和8年熊本地震発生後、JARL北陸地方本部の公式Xアカウントにおいて、2026年10月4日に石川県小松市で開催される北陸ハムフェスティバル(併催:石川県支部ハムの集い)の告知が行われました。

最初に明確にしておきたいのは、私はイベントの開催や告知そのものを批判したいわけではないということです。

アマチュア無線家が顔を合わせ、情報や技術を交換し、新しい仲間と出会える場は非常に大切です。インターネットを通じた交流が当たり前になった現在だからこそ、実際に同じ会場へ集まり、無線機やアンテナを前にしながら語り合う機会には、これまで以上の価値があります。

北陸ハムフェスティバルの開催に向け、企画や会場の確保、出展者との調整、広報、当日の運営などに尽力されている関係者の皆様には、心から敬意を表します。地域のアマチュア無線界を盛り上げるためにも、こうしたイベントは今後も積極的に開催していただきたいと思っています。

しかし、その思いとは別に、地震翌日に掲載されたイベントの告知を目にした際、私は少し寂しさを感じました。

少なくとも当該投稿には、令和8年熊本地震で被災された皆様へのお見舞いや、現地の安全を願う言葉が添えられていなかったからです。

熊本から支援をいただいた北陸だからこそ

北陸地方は、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震によって甚大な被害を受けました。発災直後から全国各地より多くの支援が寄せられ、その中には熊本県や熊本県内の自治体、関係機関、支援に携わった皆様からの力添えもありました。

熊本県は能登半島地震の発生後、熊本県応援本部を設置し、石川県輪島市をはじめとする被災地へ職員を派遣しました。熊本県教育委員会も、学校再開や子どもたちの心のケアを支援するため、学校支援チームを石川県へ派遣しています。熊本県がまとめた令和6年能登半島地震被災地派遣職員の活動報告書には、具体的な支援活動が記録されています。

全国から寄せられた支援によって助けられた北陸だからこそ、今度は熊本の皆様に心を寄せる。その気持ちを言葉にして発信することには、大きな意味があるのではないでしょうか。

イベントの告知を取りやめる必要はありません。通常の情報発信をすべて止める必要もないと思います。ただ、その前に、例えば次のような短い言葉があれば、受け取る印象は大きく違ったはずです。

令和8年熊本地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。余震が続く中、どうか安全を第一にお過ごしください。

決して長い文章である必要はありません。被災地を忘れていないこと、現地の人々を心配していることが伝わる一文があるだけで、発信に温かさが生まれます。

被災した会員や無線仲間がいるかもしれない

一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)は、アマチュア無線の健全な発展と無線科学・文化の向上を目的として、アマチュア無線家を主体に組織された団体です。周波数の確保や制度改善、QSLカードの転送といった事業だけでなく、アマチュア無線家同士の交流や社会貢献にも取り組んでいます。

熊本県にもJARL会員がいます。そして、日頃からアマチュア無線を楽しんでいる仲間の中に、今回の地震で被災された方がいらっしゃるかもしれません。自宅やアンテナ、無線設備が被害を受けた方、避難生活を送っている方、大切な人の安否を案じている方がいる可能性もあります。

アマチュア無線は、電波を使って人と人をつなぐ趣味です。遠く離れた相手の声に耳を傾け、短い交信の中でも互いを気遣い合う文化があります。だからこそ、アマチュア無線家による団体の情報発信にも、その精神が表れていてほしいと思います。

これは誰かの責任を追及したり、謝罪を求めたりするための指摘ではありません。投稿を削除してほしいとも思いません。これからの発信において、被災された会員や無線仲間の存在を少しだけ思い浮かべていただきたい。その一点に尽きます。

組織の広報は、組織に携わる人たちを代表するもの

組織の広報は、担当する一個人の思いや感覚だけで行うものではないと私は考えています。公式アカウントから発信された言葉は、たとえ一人の担当者が作成したものであっても、受け取る側からは組織全体の姿勢や考え方を示すものとして見られます。

だからこそ、広報を担う人には、組織に携わるさまざまなメンバーを代表して発信しているという意識が必要ではないでしょうか。自分自身がどのように感じるかだけでなく、会員や関係者、投稿を目にする人々がどのように受け止めるのかを想像し、さまざまな声に耳を傾けたうえで言葉を選ぶことが大切です。

これは、発信する人の個性を否定したり、すべての意見を一つにまとめたりするという意味ではありません。大切なのは、社会の状況や受け手の立場を確認し、一つの視点だけに偏っていないかを発信前に振り返ることです。必要に応じて周囲の意見を聞き、複数の視点から内容を確かめるだけでも、組織の広報はより丁寧で信頼されるものになるはずです。

JARL北陸地方本部の公式な情報発信にも、組織に携わる人々を代表する広報として、会員や無線仲間、そして地域社会のさまざまな声を受け止める姿勢が表れていてほしいと思います。

「つなぐ」というテーマを、情報発信にも

今回の北陸ハムフェスティバルには、「ひと・技術・もの・しくみ・文化をつなごう、次の100年へ。」という素晴らしいテーマが掲げられています。

人をつなぐとは、イベント会場で交流することだけではありません。遠く離れた地域の痛みに心を寄せ、支援を受けた記憶を次の行動へつなぎ、困っている仲間へ言葉を届けることも「つなぐ」の一つではないでしょうか。

災害発生時の情報発信は、誰にとっても難しいものです。何を、どのタイミングで、どのような言葉で伝えるべきか、明確な正解があるわけではありません。それでも、通常の告知を発信する前に「いま、この投稿を受け取る人の中に、つらい状況にある人はいないだろうか」と一度立ち止まることはできます。

JARL北陸地方本部には、被災地の会員や全国の無線仲間にも配慮した、温かく心の通った情報発信を期待しています。今回感じたことが、誰かを責める材料ではなく、より良い発信を考えるきっかけになれば幸いです。

北陸ハムフェスティバルの盛会を願って

北陸ハムフェスティバル(併催:石川県ハムの集い)は、次の日程で開催されます。

項目開催内容
開催日2026年10月4日(日)
開場時間10時00分
開会式10時30分
閉場時間15時30分
会場小松市民センター 小ホール
所在地石川県小松市大島町丙42番地3
テーマひと・技術・もの・しくみ・文化をつなごう、次の100年へ。
主な内容メーカーブース、クラブブース、ステージ企画、お楽しみ抽選会など
ホストクラブJARL金沢クラブ・小松クラブ
持参するものJARL会員は会員証を持参

ステージ企画やお楽しみ抽選会も予定されており、北陸のアマチュア無線家が世代や地域を超えて交流できる貴重な機会となりそうです。内容や時間は変更される場合がありますので、最新情報はJARL北陸地方本部「北陸ハムフェスティバル開催概要」をご確認ください。

開催準備に携わっているすべての皆様に、改めて敬意を表します。被災地への思いも共有しながら、人と人とのつながりを実感できる温かな催しとなり、北陸ハムフェスティバルが盛会となることを心より願っています。

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